自分と向き合う一人旅ードイツ編3

53歳で初めてのドイツ一人旅。

メモもなく、鮮明に記憶に残っていることだけを書いています。

こちらのお話の続きです。

行きたかった場所「ベルパルク・ヴィルヘルムスヘーエ」

2日目、朝一番に朝食を済ませ、雨予報だったけど今なら大丈夫そう!と思い、出発。

不思議と私が進む方向は雨雲が切れて、雨は降りませんでした!

荷物は駅のコインローッカーにおいて、世界遺産『ベルパルク・ヴィルヘルムスヘーエ』へ。

昨日かなり焦ったトラム(路面電車)に乗って向かいました。

ウィルヘルムスーへ公園はかなり広いとネットで見て知ってはいましたが、まさか558.7haもあって、東京ドーム120個分、東西に6kmの長さとは。

広ーい。

トラムの駅を降りてから、公園の中を通り、ヘラクレス像を目指します。

周りを見ても2組くらいしか歩いていません。

10メートルあるヘラクレス像の足元から75万リットルの水が水が流れ出し、2.3km下っていき、カスカーデン(人口の階段状の滝)、シュタインホーファー滝、悪魔の橋、水道橋、大噴水の順に水が流れ下るとのこと。

丘の高低差による水圧の噴水は高さ52メートルまで水を噴き上げる『水の芸術』と聞いていました。

ところがです…

あれ??
水がない??

曜日を間違えていました。
今日は土曜日。

水の放水は水曜日と日曜日のみイベントとして流しているようです。

やってしまった!
曜日がずれていました。

ちょっと残念でしたけど、その日にはもともといけない予定なのであっさりとあきらめられました。

頂上ヘラクレス像を目指し、水が流れる蓮の階段状の滝のわきにある歩道階段をあるくこと1時間ほど。なんとか頂上にたどり着きました。

頂上からはカッセルの街を一望できました。

そして、滝の道筋のその先は、街の大通りへとつながります。

すばらしい計算。

日本にも見られますが、昔の建造物はすべてが計算しつくされているように美しいですね。

しばらく眺めを愉しみました。

さあ、帰り道。
またこの階段を降りるの??

と思っていた時に、階段の横の森の小道からトレイルランをしている人が何人か出てきました。

『ん? 他にも道があるのね。同じ道を戻るのはつまらないから、ちょっと山を下ってみよう!地図も持ってるし。』

この判断が、とんでもない体験へ導くものでした!!

広い森のような公園で迷子に

丘陵と階段を1時間半ほど昇ったのち、世界遺産ヴィルヘルムスヘーエ城公園のヘラクレス像までたどり着き、ふと横を見ると、森の中からトレイルランを終えたの人々が集まっていました。

今、昇ってきた階段を戻る気に慣れず、トレイルランコースを行ってみようと、森の中へ進んでいきました。

途中までは、トレイルランをしている人や、トレッキングをしている人とすれ違っていました。

でも、だんだん人気が無くなります。

森というよりも、山道でただ一人。

思わずヘンデルとグレーテルを思い出してしまうほど。

ただ、日本の森の中と違い、明るい色の木々の葉の中。とても気持ちよく下っていきました。

いくつかの分かれ道が出てきて、途中までは地図通りに進んでいきました。

ところが、今度現れた標識は手書きのような標識で、地図にありません。

2つの分かれ道は全くの逆方向。

さて、どうしましょう。

時間はお昼前。『まだ明るいので、何とかなるけど、どちらに行こうかな…』

実は、ポケットWi-Fiを持っていなかったので、携帯は使えませんでした。

今思うと無謀だと感じるかも知れませんけれど、その当時(6年前)はポケットWi-Fiってそんなに普及していなかったのです。

公園内の森とはいえ、これほど広い中に迷ってしまって、さて、どうしよう・・・。

"これからは自分を大切する"という覚悟のための冒険

そんな状況でも、まったく怖くなかったのは、
『家族にすべてやり切って、自分の想い通りに進むことがしたくて、ここまで来たのだし、後悔は何もない。』
と思っていたから。とても落ち着いていました。

これまでの私はいつも周りを優先して、特に家族の望みが叶うように、いつも自分を最後に回していました。

自分の気持ちを大切にすることなんて、ほとんど考えもしてこなかった。

選択も家族優先の選択でした。家族を優先することが私にとっての幸せでした。

でも、家族が独り立ちをした今、そんな自分に決別したい気持ちがあって、この旅を始めました。

『たった一人でどこまでのことが出来るだろう』

とても小さな小さな挑戦かもしれませんが、私にとっては大冒険でした。

森の中で、どちらに進むか、ただ、無になって、目を閉じて、耳を澄ましてみました。

すると、ほんとにかすかに、遠くの方で車のエンジン音が聞こえてきました。

二つの分かれ道の片側、右の方向でした。

『よし、絶対こっちだわ』とテクテク歩いていくと、40分くらい歩いていくと車道に出ました。

歩道もない車道。さすがにホッとしました。

走り去る車は、『なんでこんなところを歩いてるんだ?!』と驚いたことでしょう。

それにしても、トレイルランの人たちは、どこからあの山道をランしていたのでしょうね。

分かれ道の左側からだったのかもしれませんね。

『無になって自分と向き合う』

ドキドキでしたが、自然と触れ合い、自分の感性を研ぎ澄ました経験は、とても貴重でした。

そして、ちょっぴり自信にもなりました。

この時のお話を家族に話したのは、2年後くらい。

びっくりさせてしまいそうだったのと、一人行動を制限されそうで、黙ってました。

まるで、いたずらした子どもみたいですね。

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