「私にも履ける靴があった」21cmの小さい足、何を履いても痛かった方の靴選び

「スニーカーなら、どれを履いても大丈夫だと思っていました」
でも、実際にはそうではありませんでした。
今回お越しくださったお客様は、足長が約21cm。
もともとパンプスを履くと足が痛くなり、10年ほど前からパンプスを履くことをやめて、ほとんどスニーカーで過ごしていらっしゃいました。
けれど、スニーカーに替えても靴の悩みはなくなりません。
いろいろ探して買ってみるものの、やっぱり足が痛い。
小指が当たって赤くなったり、長く歩くと膝が気になったり。
「常に靴迷子という感じです」
そんなふうにおっしゃっていました。
今回は、普段履いていらっしゃるスニーカーを何足かお持ちいただき、実際に履いて歩いていただきながら、一足ずつ見ていくことにしました。
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【写真①:お持ちいただいたOnとNIKE】
まずは靴ではなく、靴下から
私がスニーカーのフィッティングをするとき、最初に確認するものの一つが靴下です。
今回のお客様は足がとても小さく、普段履いていらっしゃる靴下にもゆとりがあり、足の中で少し動いてしまう状態でした。
そこで、カウンセリングにお越しいただいた方にお渡ししている綿の五本指ソックスに履き替えていただきました。
サイズは20-22cmぴったりサイズです。
すると、
「気持ちいい」
とおっしゃいました。
靴だけを見直せばいいわけではありません。
靴下、靴の形、サイズ、靴ひもの締め方。
ほんの少しずつの違いが重なって、靴の中での足の安定感は変わってきます。
22cmのOn。「違う靴みたい」
最初に拝見したのは、22cmのOnのスニーカーでした。
サイズだけを見ると、足長約21cmのお客様にとって、それほど大きすぎる数字には見えません。
ところが、履いていると小指が当たり、赤くなっていました。
お客様は、
「まあまあいいんだけれど、やっぱり痛い」
とおっしゃっていました。
そこで私は、まず靴そのものを替えるのではなく、靴ひもをすべてほどきました。
ひもの通し方をオーバーラップからアンダーラップに変え、かかとを靴の後ろにしっかり収め、ヒールロック。
さらに、つま先を少し上げ、甲の部分をしっかり締め直しました。

【Onの靴ひもを締め直した足元】
歩いていただくと、
「全然違う」
そして、
「違う靴みたい」
とおっしゃいました。
足が靴の中で遊ばなくなり、前にずれる感じも少なくなりました。
同じ22cmの同じ靴です。
それでも、靴ひもの通し方と締め方を変えるだけで、履き心地はここまで変わります。
私はいつも、すぐに新しい靴をおすすめするのではなく、まず今お持ちの靴をきちんと履けているかも確認しています。
今ある靴が、履き方一つでずっと履きやすくなることもあるからです。

【Onを履いて立っているお客様】
では、靴ひもを締めれば、どんな靴でも合うのでしょうか
答えは、そうではありません。
次にNIKEのスニーカーを履いていただきました。
こちらも靴ひもをしっかり締めると、足の動きはかなり少なくなりました。
けれど、歩いていただくと、
「これは歩きにくい」
とお客様ご自身が違いを感じられました。
今回のNIKEは、かかとまわりや靴全体にまだゆとりがあり、ソールも厚く硬めでした。
もちろん、厚いソールや硬いソールが悪いということではありません。
ただ、今回のお客様にとっては、先ほどのOnと比べても歩きにくさが残りました。
一度「足が靴の中で安定している感覚」を知ると、それまで気づかなかった違いがわかるようになります。
これも、履き比べていただく大きな意味だと思っています。
靴のサイズは、足の実寸と同じではありません
ここで、スニーカーのサイズについて少しお話しします。
スニーカーは、実際に測った足の長さと同じ数字を選べばよい、というものではありません。
歩くときには、つま先に足指が動くための余裕が必要です。
これを「捨て寸」といいます。
私はスニーカーを選ぶ際、足の形や靴の木型を見ながら、実際の足長におおよそ0.5〜1cm程度、場合によってはそれ以上の余裕を見て選びます。
今回のお客様は足長約21cm。
ですから、22cmや22.5cmという表示サイズそのものが、ただちに「大きすぎる」ということではありません。
大切なのは、その数字だけではなく、
足の幅や形。
かかとの大きさ。
甲の高さ。
靴の木型。
靴の中で足がどのように収まるか。
そして、靴ひもできちんと固定できるか。
そういったことを一緒に見ることです。
21cmの足に、22.5cmのセラーノ
最後に、私が普段からおすすめしているオニツカタイガーの「セラーノ」を履いていただきました。
今回ご用意できるセラーノは22.5cmからです。
足長約21cmのお客様ですから、差は約1.5cmあります。
私が通常セラーノを選ぶときの目安からすると、余裕は大きめです。
ですから私も、最初から「絶対に合う」と考えていたわけではありません。
実際に履いていただいて、足が靴の中でどう収まるかを見ることにしました。
ところが、足を入れていただくと、お客様の反応が変わりました。
セラーノは細身の木型です。
その形がお客様の足に合い、靴ひもをしっかり締めることで、足が靴の中にきれいに収まりました。
そして歩いていただくと、
「すごくフィット感がいい」
「歩きやすい」
と、とても喜んでくださいました。

【22.5cmのセラーノを履いたお客様】
「地面を感じる。足の指が使える」
そして、録音を止めたあとにも、お客様と歩きながらお話を続けました。
そのときに印象的だったのが、足裏の感覚です。
セラーノで歩くと、
地面を感じる。
足の指をしっかり使って歩ける。
お客様は、
「こんな体感は今までなかった」
とおっしゃっていました。
私がセラーノをおすすめしている理由も、まさにそこにあります。
軽いこと。
細身で足を収めやすいこと。
そして、ソールが厚すぎず、地面の感覚を受け取りながら、足指を使って歩きやすいこと。
私自身もセラーノを履くようになって、足の使い方が大きく変わりました。
もちろん、すべての方にセラーノが合うわけではありません。
実際に足を拝見し、履いて歩いていただいて確認することが必要です。
でも今回のお客様には、このセラーノの木型と履き心地が、とてもよく合いました。
さらに調整すると「もう、本当に気持ちいい」
そのままでも、お客様にはかなりフィットしていました。
ただ、私から見ると、もう少しフィット感を高められる部分がありました。
そこで、その方の足に合わせて調整を加えました。
すると、
「もう、本当に気持ちがいい」
とおっしゃいました。
さらに、在庫していたオイスターグレーのセラーノをご覧になると、色もとても気に入ってくださいました。
「これなら、ふわりとしたスカートにも合いそうですね」
「どんな服にも合いそうだから、うれしい」
とおっしゃいました。
歩きやすいことはもちろん大切です。
でも、毎日履く靴だからこそ、好きな洋服に合わせられることも大切だと私は思っています。
「足が痛くならない靴」というだけではなく、履いて出かけたくなる靴。
そんな一足になったことも、私はとてもうれしく感じました。
そして、
「こんなに履きやすい靴、今まで体験したことがなかった」
「ここでこの靴が見つかって、本当にうれしい」
とおっしゃいました
と。
何を買っても合わない。
せっかく買っても痛くなる。
そんな経験を長く繰り返してきた方です。
だからこそ、私はそのときのお客様のお言葉や表情から、単に「一足のスニーカーが見つかった」という以上のものを感じました。
「私にも履ける靴があった」
私が感じたのは、
「私にも履ける靴があったんだ」
という驚きと喜びでした。
そしてもう一つ。
「まだ、諦めなくてもいいんだ」
という、これからへの希望です。
お客様は、パンプスをもう10年ほど履いていないとおっしゃっていました。
普段はスニーカーで十分。
街を見ても、今はスニーカーを履いている方がたくさんいらっしゃいます。
それでも、
「食事に行ったり、友人と少しおしゃれをして出かけるときには、やっぱりパンプスも履きたい」
とおっしゃいました。
そのお気持ち、私はとてもよくわかります。
毎日パンプスを履く必要はありません。
でも、
「履きたい日に履ける」
という選択肢があること。
それだけでも、これからの楽しみは変わると思うのです。
小さい足だから、履ける靴がないわけではありません
今回のお客様の足長は約21cmでした。
22cmのOnは、靴ひもの締め方を変えることで「違う靴みたい」と感じるほど履きやすくなりました。
一方、同じようなサイズの靴でも、歩きにくさが残るものもありました。
そして22.5cmのセラーノでは、サイズの数字だけを見れば一番大きいのに、
「フィットする」
「歩きやすい」
「地面を感じる」
「足指が使える」
という、今までにない感覚を体験していただきました。
だから、
「足が21cmだから、21cmの靴を探せばいい」
でも、
「痛いから、もっと大きな靴にすればいい」
でもありません。
小さい足だからこそ、サイズの数字だけでなく、その靴の形や履き方まで見ていくことが大切です。
足元が変わると、これからの選択肢も変わります
私は今回、スニーカーの履き方だけでなく、日常の中で足指を使って歩くことや、家の中での足元についてもお話ししました。
外を歩く時間より、家の中で過ごす時間の方が長い方も多くいらっしゃいます。
だから私は、家の中でも足指を使って歩くことを大切にしています。
特別な運動をする時間だけではなく、
毎日の立つこと。
歩くこと。
靴を履くこと。
その積み重ねが、これからの足をつくっていくと考えているからです。
「私にも履ける靴があった」
その一足との出会いが、
次はパンプスも履いてみようかな。
もう少し歩いてみようかな。
あそこへ行ってみようかな。
そんな気持ちにつながっていったら、とてもうれしく思います。
靴は、ただ足を覆うためのものではありません。
その方がこれからどこへ行きたいのか。
どんなふうに過ごしたいのか。
その未来を支えてくれるものでもあると、私は思っています。
靴選びに迷っている方へ
「スニーカーを履いているのに足が痛い」
「小さい足で、自分に合う靴が見つからない」
「どのサイズを選べばよいのかわからない」
「何足買っても、結局履かなくなってしまう」
そんな方は、一度、足のサイズだけでなく、今履いている靴や履き方も一緒に見直してみませんか。
今お持ちの靴が履きやすくなることもあります。
そして、まだ出会っていない「こんなに気持ちよく歩けるんだ」と思える一足が見つかるかもしれません。
靴と足の悩みをご相談いただける「靴選びカウンセリング」はこちら→

浦安在住のフットカウンセラー。
自分自身が長い間足の痛みと合わない靴に悩んできました。やっとその原因と改善法にたどり着き、今ではパンプスも履けるようになりました。
そのたくさんの学びと経験から、足そのものを調整していくこと+足に合う靴選び・足に合わせた靴の調整+正しい歩き方で、靴と足のお悩みを根本的に解決するオリジナルコースを提供しています。


