「外反母趾だから4E」は本当?幅広の靴を履いても痛かったお客様の5年間

「外反母趾だから、幅の広い靴を履いたほうがいい」
そう思っていらっしゃる方は、多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するお客様も、以前は外反母趾があり、4Eから5Eの靴を勧められて履いていらっしゃいました。
けれど、どんなに幅の広い靴を履いても痛い。
お持ちいただいた4Eのパンプスも、
「これでも痛くて仕方がないんです」
とおっしゃいました。
お客様と出会ったのは、今から5年前です。
それから少しずつ足元を整え、今では「痛くない靴を探す」のではなく、ご自身が履きたい靴を一足ずつ増やしていらっしゃいます。
そして、ついには3cmヒールのパンプスも。
今日は、そんなお客様の5年間のお話をしたいと思います。
4Eでも痛かった外反母趾の足
お客様との出会いは、5年前に開催した『靴の選び方お話会』でした。
その後、継続コースをご案内し、お申し込みくださったのが始まりです。
初めて足を拝見したとき、とても華奢で細い足だということが印象に残りました。
かかとも小さく、足全体がとても細い。
一方で外反母趾があり、特に左足は親指の付け根が大きく出っ張って見えました。
それまで、
「外反母趾だから幅の広い靴を」
と、4Eから5Eの靴を勧められていたそうです。
その日も、今まで履いていらしたパンプスをお持ちいただきました。
拝見すると4E。
それでも、
「痛くて仕方がないんです」
とおっしゃいました。
実際に測ってみると、とても細い足でした
そこで、足をきちんと計測しました。
すると、外反母趾の部分だけを見ると幅があるように見えますが、足そのものはとても細く、かかとも小さいことがわかりました。
計測した足幅は、A〜2A程度でした。
4Eとは大きく違います。
実際、履いていらした4Eのパンプスでは、かかとの部分に大きなゆとりがあり、足が靴の中で安定していませんでした。
ここで知っていただきたいのは、
「外反母趾がある=幅広の靴を選べばいい」とは限らない
ということです。
なぜ幅広の靴を履いても痛かったのでしょう
外反母趾の出っ張った部分が痛いと、
「ここが当たらないように、もっと幅の広い靴を履こう」
と考えたくなります。
けれど、靴は一番幅の広い部分だけで履くものではありません。
かかと。
足の甲。
足幅。
そして、足が靴の中のどこに収まっているか。
足全体と靴との関係を見る必要があります。
今回のお客様の場合、幅の広い靴の中で、かかとや足の甲などが十分に支えられておらず、歩くたびに足が前へ動いていました。
一番幅のあるところに合わせて靴を選んでも、足そのものが靴の中で前へ滑ってしまえば、さらに靴の先の狭い部分へ入り込んでしまいます。
その結果、外反母趾の部分にも負担がかかっていました。
だから私は、
「痛いところに合わせて、ただ靴を広くする」のではなく、「足全体を靴の中でどう支えるか」
を見ることを大切にしています。
足の裏には、広い範囲に硬い角質がありました
もう一つ、とても印象に残っていることがあります。
初めて拝見したお客様の足裏には、広い範囲に硬い角質があり、白っぽく見えるほどになっていました。
「痛くありませんか?」
と伺いました。
すると、
「何も感じません」
とおっしゃいました。
そして歩いていただくと、足裏にしっかり体重を乗せるというより、できるだけそっと地面に触れるような、ふわふわとした歩き方をされていました。
後になって、こんなお話もしてくださいました。
以前は歩くと身体がぐらついてしまい、
「お味噌汁を運ぶのも難しかったんです」
と。
靴を変え、履き方を変え、靴下を変える
そこから、できることを一つずつ始めました。
靴を変える。
靴の履き方を変える。
靴下を変える。
そして、歩き方を少しずつ見直す。
足裏の硬い角質にも、徐々に変化が見られるようになりました。

【2021年4月、初めて拝見したころの足裏。】
広い範囲に固い角質が見られました。
それから5年。足元を整えることを、日々の暮らしの中で続けてこられました。

【写真:2026年6月。継続して足を整えられているお客様の足裏】
現在も一部に角質は見られますが、初回と比べると足裏の状態に大きな変化が見られます。
角質を削ることを中心にしたのではなく、日々足に触れるものや足の使い方を少しずつ見直してきました。
足を拝見するたびに、
「本当によく頑張りましたね」
とお話しします。
「歩き方が綺麗になったね」
そして、あるとき。
お客様がうれしそうに教えてくださいました。
一緒に働いている先輩の方から、
「歩き方が綺麗になったね」
とおっしゃっていただいたそうです。
私は、このお話がとても好きです。
自分自身で変化を感じることもうれしいものです。
でも、毎日一緒にいる周りの方が変化に気づいて、ふと声をかけてくださる。
それは、ご本人にとっても大きな喜びだったのではないでしょうか。
5年間、暮らしの中で続けてこられました
お客様は現在も、定期的に通ってくださっています。
歩き方を確認したり、履いている靴の状態を拝見して、必要に応じて修復や調整をしたりしています。
ルームシューズも、ずっと履き続けてくださっています。
ご自宅だけではありません。
会社でも、家でも。
毎日長い時間を過ごす場所の足元を大切にしてくださっています。
パソコン関係のお仕事をされていますので、長時間座り続けないよう、1時間に一度は席を立つ。
休憩の際には社内を歩く。
そんなことも意識して続けていらっしゃいます。
何か特別なことを一気にするのではありません。
できることを、日々少しずつ。
お客様は、
「穏やかに改善していけばいいんです」
とおっしゃいます。
私は、この言葉がとてもお客様らしいなと思っています。
「痛くない靴」から「履きたい靴」へ
そして、この5年間で変わったのは、足や歩き方だけではありません。
履く靴も、少しずつ変わっていきました。
最初からたくさんの靴を揃えたわけではありません。
足の状態を見ながら、一足ずつ。
レースアップシューズ。

【お客様が少しずつ増やしてこられた靴の一つ。黒のレースアップシューズ】

その後、ブーツも履けるようになりました。
ローヒールの靴。
その時々で、ご自身が「履いてみたい」と思う靴を、一つずつ増やしてこられました。
そして、ついには3cmヒールのパンプスもオーダーされました。
来月、仕上がってくる予定です。
5年前。
4Eや5Eの靴を履いても痛くて、「自分に履ける靴」を探していた方が、
今は、
「次は、この靴を履いてみたい」
と、ご自身で選んでいらっしゃいます。
私は、その変化がとてもうれしいのです。
足を整えることは、その先の選択肢を増やすこと
足を測ることも、靴を見直すことも、私にとってはゴールではありません。
その方がこれから、
「どんな靴を履きたいのか」
「どんな洋服を着たいのか」
「どこへ出かけたいのか」
そんな選択肢が少しずつ増えていくこと。
それが、私が足元を整えるお手伝いをしていて、とてもうれしいことの一つです。
5年前、
「4Eでも痛い」
とおっしゃっていたお客様は、今、ご自身が履きたい靴を一足ずつ増やしていらっしゃいます。
次は、3cmヒールのパンプス。
来月仕上がってきたとき、どんな表情をされるのでしょう。
私も今から、とても楽しみにしています。
もし、
「外反母趾だから幅広の靴を選んでいるのに痛い」
「大きなサイズにしても楽にならない」
「自分に合う靴がわからない」
そんなお悩みがあるなら、一度、外反母趾の出っ張った部分だけではなく、ご自身の足全体を知るところから始めてみてください。
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浦安在住のフットカウンセラー。
自分自身が長い間足の痛みと合わない靴に悩んできました。やっとその原因と改善法にたどり着き、今ではパンプスも履けるようになりました。
そのたくさんの学びと経験から、足そのものを調整していくこと+足に合う靴選び・足に合わせた靴の調整+正しい歩き方で、靴と足のお悩みを根本的に解決するオリジナルコースを提供しています。


